記事を更新し続けることで成立する場は、更新が止まった月に価値も止まります。
ストック型と呼ばれることもありますが、実態は流れ続けないと止まる収入です。 実際、この形での一人あたりの累計は3ヶ月分の1,500円ほどでした。 単発で何かを売るのと変わりません。
止めないためには書き続ける必要があり、書き続けるためには熱量が要ります。 熱量に依存しない設計を探していたはずが、いちばん熱量に依存する形を選んでいました。
完全なストック型はありません#
抜け道を探しているとき、ストック型そのものを疑いました。
定額のソフトウェアも、問い合わせ対応と機能改善を止めれば解約が増えます。 不動産にも税金と修繕があります。 ストック型と呼ばれているものは、労働をなくした形ではなく、労働を分散させて時間あたりの効果を上げた形でした。
そう考えると、目指すのは働かない状態ではありません。 一度の労力が、あとで何度も効く形に置き換えることでした。
先に濃いものを作る#
いま取っているのは、最初に一つだけ濃いものを作る形です。
これを原液と呼んでいます。 定額のソフトウェアでいう、最初の開発にあたる部分です。
具体的には、届けたい相手と、自分が出せる独自の部分を決めて、目次から作ります。 そのうえで、一冊分の文章を書き切ります。 私はいま、8万字から9万字ほどのものを整えている段階です。
原液があると、そこから薄めて配れます。 一つの原液から記事を作り、記事からSNSの投稿を作る、という流れです。 毎回ゼロから考える作業がなくなるので、更新の負担が大きく下がります。
更新が止まると死ぬ形から抜ける方法は、更新を自動化することではなく、更新の材料を先に一度だけ作っておくことでした。
薄める前に濃さを確かめる#
順番として、もう一つ決めていることがあります。
原液が自分で納得できる濃さになるまで、大きな宣伝をしません。
薄めたものがつまらない場合、原因はたいてい薄め方ではなく原液のほうにありました。 ツールでも同じで、中心の体験が弱いまま利用者を増やしても、離脱を後から止めることはできません。
宣伝を先にすると、いちばん人が見ている時期に、いちばん薄いものを見せることになります。
10回立ち上げて辿り着いた場所#
学生の頃から、コミュニティを10回以上立ち上げました。
100人が入ったLINEグループがありました。 雪の中で三回イベントをやって、30人から50人が来ました。 学生から2,000円から4,000円の参加費をもらった企画もありました。 どれも一年か二年で、私が疲れて畳んでいます。
いま続いているのは、10人が月500円を払ってくれている場と、自分用に作ったDiscordです。 数字だけを並べれば、学生時代のほうがずっと大きく見えます。
違うのは、いまの場が私の熱量を必要としていないことです。 私が忙しい週にも、参加条件が人を選び、上限が通知の量を抑え、紹介の仕組みが記事を回しています。 私は自分の売上を確認するために毎日その場を開いていて、そのついでに参加者と話しています。
続けるために頑張るのをやめたら、続くようになりました。
この連載で書いたことは、私が10人の場で確かめた範囲までです。 これが100人でも成立するのかは、まだ試していません。